西助教からみなさんへのメッセージ

そもそも研究って何だろう?研究室配属を控えた皆さんは、こうした根本的な疑問を漠然と抱いているのではないかと思います。しかし、皆さんは既に幾度となく研究を行ってきているのです。小・中学生時代の夏休みを思い出してください。8月末になってようやく自由研究という名の宿題に着手しませんでしたか?高校時代は、大学時代は?あれ、そんな宿題はなかったような…。ここで意外な事実に気づかされます。真面目に教室に座っている受け身の講義ばかりの高等教育よりもずっと以前に、指南書などを参考にしながらも最後は自分でテーマを選んで実験を進めていたプレ研究者時代があったことに。

つまり、研究を行うという行為は、皆さんにとって人生で全く未知の体験ではないはずです。身構える必要などありません。数年来の試験突破のための苦行(!?)によって忘れかけていた、色んなことに純粋に興味を抱いていた時代に回帰すればいいだけなのです。もっとも、それならば今も遊びを存分に楽しんでいるぞと自信満々に言う方もおられるでしょうが、それはそれで結構なことです。好きなことに徹底して没頭することのできる遊び心は、研究を進めていく上で必須の一要素だと私は信じています。

しかし、皆さんがこれから着手する研究は、必ずしも楽しいものばかりではありません。数日かかって測定したデータを解析し検証しても、予想しえなかった結果が出ることなど当たり前です。測定環境・解析手法・想定した仮説・実験法などを洗い直し、目的を達するためには環境をどう再構築すればよいか、何を勉強していけばよいのか、最後は自分自身で決断していくことになります。それにあたり教員や上回生はただの指南書ですから、どんどん活用してやればよいと思います。

したがって、卒業・修了さえできればいいという肩書きを第一と考える方や、言われたことだけを淡々とこなすことにこそ生き甲斐を感じる方は、残念ながら研究生活をとても苦痛に感じることと思います。逆に、自由な環境の下で試行錯誤を繰り返すことを楽しめる方や、半導体物性やデバイスへの好奇心が抑えられない方においては、とても有意義な研究生活を送れることと確信します。

研究者としての助走期間を「楽(ラク)に」ではなく「楽(タノ)しく」過ごしてみたい、と意気込んでいる方々の挑戦を、心よりお待ちいたしております。

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