須田准教授からのメッセージ

研究の醍醐味

みなさん、実験系の研究とは、どのようなものだと思いますか?
私はこう考えます。

  1. 実験の発案 (実験のデザイン)
  2. ちょっと大変な実験
  3. その解析
  4. 結果を説明するモデルの構築
  5. モデルを検証する実験の立案
  6. かなり大変な実験
  7. 実験結果の解析によるモデルの検証

学部の実験・実習は、主に2と3を体験するだけなので、実験系の本当の醍醐味を知ることはできません。

ちょっと大変な実験(例えば、一日がかりの半導体結晶成長)をうまくやり終えたとき、「やった~、終わった~」と、心地よい開放感に包まれます。(夏であれば下宿に帰って一風呂浴びてビールを飲むと最高です!)

実験結果の解析中に理解できない結果がでてくると、「なんじゃこりゃ~(松田優作の声で)」と思い悩みます。専門書や論文を読み漁り、先生や上回生と議論して(新現象であれば先生や上回生も答えは知りません)、悩みに悩んだ末、現象を説明するモデルを自分で考えついたときには、「俺(私)ってすごいかも!?」と小躍りします。そして冷静になって、自分自身のモデルを徹底的に批判します。不備や反論の隙が無いかを徹底的に検討し、それを払拭する実験を立案します。

ここまでくれば、検証実験はどんなに大変でも苦にはなりません。自分の仮説を検証する実験結果の解析をするときは本当にドキドキします。最初の実験の発案から、数週間(場合によっては半年)の自分の努力とひらめきに審判が下される時です。私は、大学院生時代、自分の仮説が裏付けられる実験結果が出ると、実験室から居室への廊下を踊りながらやって来たそうです。後輩達は「須田さん、なにか良い結果がでたみたいだな」と思っていたそうです。

これだけ心が動かされる事は、みなさん、しばらくご無沙汰だったのではないでしょうか。中・高のクラブ活動や文化祭、体育祭に若き情熱を傾けた人は、それに比肩する(それ以上の!?)感動になると思います。半導体の最先端研究を舞台に、是非この感動を体験し、楽しんで欲しいと思います。得られる結果は、単なる自己満足だけではなく、世界最先端の成果になる可能性があるのですから!

正直、研究はかなりハードな面もあります。実験系とは言っても、毎日実験ばかりするわけではありません。実験で汗水を流すことも大事ですが(クリーンルームは完全空調なので汗はかきません)、理論もたくさん勉強して、それを元に作戦を練ることのほうがより重要なのです。(既存の理論が組み合わさった、思いもよらないような新しい価値を創造(発見)できるのも実験屋の魅力です!)

自分の能力の限界を試す(今の自分の限界を打ち破る)には最高の環境です。当研究室を卒業する学生たちは、4回生で研究室に配属された頃とは別人のように大きく成長しています。社会に出てからすぐに頭角を現し、新規テーマの主担当者、グループを率いる若きリーダーとして活躍しています。みなさんも先輩達の後に続きましょう!

半導体の新分野を開拓する気概のある皆さんを待っています!