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ようこそ半導体物性工学研究室へ!

本研究室では、新しい半導体材料や新規構造の活用、独自のデバイス動作原理の導入によって、既存の半導体の限界を大きく打破し、エネルギー・環境問題に直接貢献できる研究に取り組んでいます。京都大学ならではの自由な発想に基づいたScienceとEngineeringの融合を通じて、世界の先端を走る研究を心がけています。

研究室配属を検討中の3回生のみなさんはこちらも参考にして下さい。
2021年度Webオープンキャンパスで使用した紹介動画はこちらです。

背景

現在、私達は地球規模での環境破壊、エネルギー危機、人口急増や食料危機など、人類の存亡に関わる喫緊の課題に直面しています。この中で、エレクトロニクスがその問題解決に直接的に貢献できるのは、エネルギー・環境問題です。エネルギーの電化が年々増大している現在、あらゆる機器・システムには、単なる高性能化ではなく「低消費電力化、省エネルギー」が強く求められています。

半導体は成熟飽和した技術だと思っている人がいるかもしれませんが、これは大きな誤解です。例えば、2040-2050年にはガソリン車の製造販売は限りなくゼロに近づきます(環境保全および資源枯渇の理由により、これは must です)。つまり、20-30年後には、ハイブリッド車や電気自動車用エレクトロニクスだけで現在より100倍以上の半導体デバイスが必要になり、かつこれらの半導体デバイスは、超低消費電力であることが求められます。幸い、このような車載用半導体では、大学、企業とも日本が圧倒的に世界の先端を走っています(当研究室はその一翼を担っています)。一方で、全盛を誇るSiを中心としたLSIは100年後も不滅です。しかし、そこに求められるのは、単なる微細化による高速・高性能化ではなく、低消費電力化や新機能です。したがって、現在「半導体」は重要で新しい社会ニーズに応えるべく、活気に溢れる学際分野となっています。

理工学分野の研究テーマを以下のように分類することができると思います。
(1) 実用されるかどうか未知だが、学術的に興味深い研究
(2) ほぼ間違いなく実用化されるが、未開拓であり、この基礎学理を構築する研究
(3) 既に実用化が始まっているが、根幹となる学理が不明で、これを解明する研究
(4) 基本原理や設計指針は既知であり、これを元に最も効率的な技術を確立する研究

当研究室で重点を置いているのは、(2) と (3) です。別の言い方をすれば、(2)は10年後、(3)は2-5年後のエレクトロニクス産業の発展に直接貢献するインパクトの大きい研究テーマです。例えば、当研究室が出願し、登録された特許が日本の産業界の国際競争力の強化に貢献し、本学でも有数の特許実施料を獲得しています。また、企業との共同研究の件数が非常に多いのも特徴です(ただし、単に企業の製品開発のお手伝いをするような共同研究は一切していません。京都大学としてやるべき学問があります)。

具体的な研究テーマの例

本研究室では、京都大学らしい基礎的な学理の解明・構築を通じて、数年~10年後のエレクトロニクス産業の発展に貢献できる、以下のような研究テーマに取り組んでいます。

  • 究極の省エネ半導体SiCの物性解明と制御
  • SiCを用いた超低損失パワーデバイスの基礎研究
  • SiCを用いた極限環境集積回路の基礎研究
  • 抵抗変化を利用した低消費電力不揮発性メモリの基礎研究
  • ワイドギャップ半導体を用いた新機能センサー

いずれの研究テーマも半導体物理、材料科学、量子力学、結晶工学、電子工学などの学術分野を広くカバーしており、新しい物理現象の発見・解明が多い研究分野です。京都から世界に情報を発信し、エネルギー・環境問題の解決に貢献する研究を常に心がけています。

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